愛してるんだけども

旦那は弱視&視野欠損&片方の目はほぼ失明ではあるが横目で眺める程度の人には気づかれない。

でも、スマホを目で舐めるように見るし、大画面のテレビでも熱が伝わる距離で観る。

もし足下に画鋲が落ちていたら高確率で踏むし、同系色だけで構成された段差や階段は踏み外す。

薬箱の中に頭を突っ込んで毎回必要なものを探す事が面倒だから、よく使うものは自分の周りに並べていたい。食品棚の中の配置がかわっていたら途方もない労力を使う。たこ足コンセントのどの穴に何を刺しているか、探さなくていいように覚えている。

 

私は掃除をするときに、バラで並んだ薬が邪魔なので戻したいけどそうすると困るらしいから、彼のそばにに並べることができるケースを用意する。食品は毎日のように、減って増える。量だけじゃなく種類も。そうなると限られたスペースだからどうしても物は移動する。コンセントのたこ足のどの場所に何を刺すかなんて意識もしたことなかったが、なるべくそのままにすることにした。

 

大変だと思う。本当に。

 

幸いにもきちんと言葉にしてくれる人で、困ったことがあれば教えてくれるし、して欲しい事があれば遠慮がちではあるが言ってくれる。

ああ、気づかなかったな。ごめんね。次からこうするね。

ただ、いっしょの生活が長くなってくると、さらりと直せる事だけじゃなくなってくるから毎日の生活の中で頑張って気をつけて意識しながら行動しないといけない。

無意識にしていた行動を辞めるだけじゃなくて変えるって思った以上にストレスがすごい。

余計な自我がむくむくと育ち、自分の権利を主張したくなってくる。

私があなたに合わせた方がいいのはわかっているんだけど私が置きたいところに物を置く権利もあるはずだ。わかってるんだけど毎日食品庫から物の出し入れをしているのは私だからこっちもスピードを重視する権利はあるじゃないか。わかってるんだけどこの家を散らかす権利だってあるんだよ!

 

意味不明なマウント取る形になって、謝らせてしまって、そうじゃないのに何がしたかったんだっけか。どうしたいんだっけか。楽しく優しく毎日過ごしたいだけだよ。